第24回VMPで「IT-FARM賞」を受賞されたモビスペース株式会社代表取締役CEOの片山将さんに登場いただきます。
早稲田大学在学中の起業
- 大野
- 片山さん、まずは自己紹介をお願いします。
- 片山
- 片山将と申します。 モビスペース株式会社の代表取締役CEOを今務めています。
昨年、早稲田大学の教育学部を卒業したばかりで、在学中からアントレプレナーシップに関わる活動を行ってきました。
中でも2022年に位置情報共有SNSのナウナウというものを立ち上げて、3ヶ月間で300万人のユーザーを獲得しました。
早稲田大学は結構アントレプレナーシップ教育に力を入れているので、そういったプログラムでスタートアップ大国として知られるイスラエルに派遣され、2023年にはシリコンバレーに派遣されました。
在学中にいろいろなビジネスプランコンテストに参加して優勝することも多く、シンガポールへも行ったりしていて、アントレプレナーシップを学びつつ、世界中のエコシステムを訪問するということを行ってきました。
- 大野
- もともと起業に興味があったのですか?
- 片山
- そうですね。
大学に入学した時は何でもいいからお金持ちになりたいと思っていて、別に手段を問わなかったんですが、それがだんだんと起業するのが一番効率がいいと思うようになり、固まっていった感じです。
- 大野
- なるほど、では、会社にお勤めした経験はないんですね。
- 片山
- そうですね、正社員としての経験はないです。
- 小澤
- 私は高校生に講演する機会が何度かあり、その高校生を見ていると、なにか作り出したり起業などをしていくだろう子たちと、何も思考ができない子たちとが二分化されているように感じることがあります。
もちろん中間層の子たちもいるものの、2極化の格差を強く感じました。
片山さんは起業ということを、どのぐらいの年齢から意識していましたか?
また、きっかけはどんなことでしょう。
- 片山
- 21か22歳の時で、きっかけはコロナが来たことです。
アルバイトができなくなってしまい、SNSが流行っていたので、YouTubeやインスタグラムを始めたのがきっかけです。
それまでは起業しようという意識はなく、漠然としていました。
- 小澤
- 面白いですね、コロナのようなマイナスの中から生まれてくる新しいものというのは。
やはり学生や若い方には、状況を活用する力や発想力がありますね。
- 大野
- そうか、コロナの時期を学生として乗り越えたわけですね。
- 片山
- そうですね、なんかギリギリかぶっちゃいましたね。
キックボードで東京を走って発見した課題
- 大野
- で、モビスペースを起業されましたが、どうしてこの事業をやろうと思ったのですか?
- 片山
- イスラエルに留学していたことがあるのですが、イラエルってビーチから町の中心までキックボード専用の道がとても整備されていて、キックボードで走るとすごく気持ちいいんです。
留学している時にもう毎日のようにキックボードに乗っていました。
帰国して、日本にもキックボードがあるので乗ってみたら、車の端をすごく危なっかしい感じで走らされます。
然気持ち良くないし、なんでこんなことが起きているんだろうと思い、キックボードやシェアサイクル事業者が抱えている課題というものを、その事業をしている社長さんたちに、ダメ元でFacebookでメッセージしてみました。
多くの方々から様々な返信をいただき、キックボードに関わる問題を解決しようと思って始めました。
- 大野
- そのビジネスは、日本の社会で今後大きく発展するだろうというビジョンを持たれたのですね?
- 片山
- 東京都内では車よりも小さい乗り物の方が便利だと思っていまして、小型のモビリティが増えていく。
そうすると、それを駐車するスペースが必要になるだろうと考え、マイクロスペースに注目して事業を始めました。
- 大野
- だいぶ前、同じく小型モビリティを提案してきた方がファイナリストになられたことがあるのですが、その時、モビリティに乗ったらどこに駐車するんだとか、盗まれてしまうんじゃないかとか、みなさんからそんな質問がたくさん出されました。
片山さんのビジネスは、そういった問題の解決を提供するわけですね。
- 片山
- そうですね、おっしゃる通りです。
独自のシステムで小さな空きスペースをみつける
- 大野
- 駐車スペースということは、個人の持っているモビリティではなくて、ループみたいな、企業相手というところに目をつけたわけですね。
競合はいないですか?
- 片山
- 直接的な競合はいないです。
私たちと同じように、3Dのパノラマ画像とかを解析して行っているとこはまずないです。
ただ、間接的な競合としては、2〜3パターンあり、1つめは衛星画像を解析して、上から駐車場やマイクロスペースを探している会社。
それからもう1つは駐車場マッチングのプラットフォームとして、CtoCで事業を行っている「アキッパ」とか「軒先」。
ここが間接競合にはなっています。
- 大野
- その競合相手に対し、片山さんのモビスペースは勝算ありますか?
- 片山
- まず前者の方ですが、最高クオリティの衛星画像であっても、東京都内だと駐車場ですら見つけるのが難しい状況になっています。
私たちは横から覗き込む形で行うことで確実に発見できること、屋根の下にあるような小さいスペースでも発見できることが強みです。
駐車場マッチングの競合に対しては、彼らは駐車場を駐車場としてしか貸さないのに対し、私たちは見つけた駐車場をマイクロモビリティに貸した方が賃料が高い場合はそちらを提案するため、土地効率が高いです。
- 大野
- 宇宙から見ると一発で見られるけれども、御社だと人海戦術で営業しなくてはならないような気がするのですが、その点はどうですか?
- 片山
- その点を解消するためにストリートビューを自動で解析するシステムを持っています。
これにより、人が歩き回って探す必要がなくなります。
- 大野
- ストリートビューというのは、Googleマップに出てくるようなものですよね。
Googleマップを使わないで、別のストリートビューを開発されたわけですか?
- 片山
- もちろんGoogleストリートビューも使っています。
- 大野
- ご自身のところのもあるわけですね。
- 片山
- そうです。正確にはGoogleストリートビューだけだと、なかなか補いきれないきれないところがあるので、複数のストリートビュー画像のオープンソースを組み合わせています。
3年で国内マイクロスペースを開拓、その先は海外へ
- 大野
- なるほど。 例えばそのGoogleストリートビューを使うとなると、事業としては日本国内じゃなくて全世界にまたがりますよね? 今は日本国内で活動されていると思いますが、日本国内でのターゲット拡大、そして世界への拡大はどんなスケジュールで考えていらっしゃるんでしょうか?
- 片山
- 3年ぐらいを目処に、まずは国内事業を取り切ることを考えています。
3年くらいで国内のマイクロスペースは開拓しきってしまうのではないかなと思っています。
- 大野
- 素晴らしい! 今、何%ぐらいまで開拓なさっていますか?
- 片山
- まだ10%くらいではないでしょうか。
- 大野
- では急速にアップですね。 急速にアップするための施策は?
- 片山
- 現在のメインサービスは私たちから地権者を特定してアプローチする方法ですが、別のプラットフォームも作っています。
それは地権者が私たちにアプローチしてくるようなウェブサイトシステムで、地権者が、駐車場にするには狭いようなスペース…今まで花壇や植木鉢を置いていたようなスペースを、出品できるようなプラットフォーム、これを今作っていっています。
- 大野
- そのプラットフォームは今制作中ということですね。
どれぐらいでできそうですか?
- 片山
- 6ヶ月ですね。
- 大野
- 6ヶ月でできて拡大して、3年後は日本国内を網羅するのですね。
その後で、海外に出ていくぞということになると思いますが、海外に出ていくためのアクションやワークはしていますか?
- 片山
- まだ早いのであまりしてないですが、社内の公用語は英語にしています。
そもそもチームには外国人が多いので。
あとは東京中小企業公社さんが行っている海外展開支援のプログラムに参加しています。
どの国に進出するのかとか、東南アジアだったらシンガポールでやりましょうとか、シンガポールでやるとしたらこういう法律の規制があるから…という部分は一応リサーチを行っています。
- 大野
- なるほど、本気で進出する気満々ですね。
- 片山
- そうですね。特にシンガポールが面白い。
- 大野
- ターゲットがシンガポールなんですか?
現時点ではシンガポールを含めたアジア地域を考えていらっしゃるんですか?
- 片山
- そうですね。基本的にはそうです。
- 大野
- 御社のチームメンバーに外国人がいらっしゃるとのことですが、何人ぐらいで運営されていますか?
- 片山
- 5人です。
- 大野
- 皆さんは正社員ではなくて業務委託ですか?
- 片山
- 株を持っているボードメンバーが私を含めて3人、その他の2人は業務委託みたいな形です。
- 大野
- コアな3人ががっちり、スクラムを組んでやっているところなんですね。
心強いですね。
片山さんがCEO?
- 片山
- CTOとCEOです。
- 大野
- 3人しかいないと、どんどんご自身も動かないといけないと思いますが、 今一番時間を費やしていらっしゃるのは何でしょうか?
- 片山
- 営業です。
- 大野
- なるほど、スペース探しですか。
- 片山
- ええ、スペース探しもそうですね。
- 大野
- 片山さんの動きがブルドーザーみたいで、とにかくすごくアクティブだなという気がしています。
この前、 ビジネスプラン発表会の懇親会が始まった時も、1人だけちょっと違う場所で口に食べ物を頬張ってなにかやっている姿がとても印象的でした。
- 片山
- 失礼しました。
- 大野
- いやいや、とんでもない。 すごく時間を惜しんで頑張っているという気がしました。
- 片山
- いや、まだまだです。もっと頑張らないと。
- 大野
- 普段はどこでお仕事されているのですか?
- 片山
- 普段は早稲田大学のアントレプレナーシップセンターにいます。
今もそこにいます。
ベンチャーメンタリングプログラム24のメンタリングでのダメ出し
- 大野
- ベンチャーメンタリングプログラムにご応募いただいたきっかけは何でしたか?
- 片山
- 早稲田大学のビジネスモデルを作るような授業の講師の方で、マキシマイズの渡辺さんという方がいらっしゃるんですが、その方が、もし海外展開したいならこのプログラムがいいと思うよと教えてくださいました。
- 大野
- それでチェックして申し込みをされたわけですね。嬉しいです。
メンターは誰でしたか?
- 片山
- 入野さんと井野さんと藤原さんです。
- 大野
- メンタリングを受けてみていかがでしたか?
- 片山
- 入野さんがメインのメンターという感じで、毎週メンタリングしてくださいました。
入野さんはすごく小さいライフハックみたいなものをたくさん持っていらっしゃって、それがすごく役立ちました。
- 大野
- 片山さんのメンタリングだけではなく、ファイナリスト全体にも同様でしたね。
流石、入野さんだなと思っていました。
メンタリングの頻度は?
- 片山
- 週一回です。 Zoomで40分間です。
- 大野
- その辺もきちっと管理しながらやっていたんですね。
メンタリング合宿はいかがでしたか?
合宿に参加してこれは面白かったということや、これは嫌だったということがあったら教えて下さい。
- 片山
- メンタリングの時間が確か2時間ぐらいあったと思うのですが、そこで名だたるMITのMBAを卒業されているメンターの方々や、いろいろな大人の方10人ぐらいに囲まれて、ひたすら私のビジネスモデルにダメ出しされる時間。
これはすごく良かったと思っています。
- 大野
- ダメ出しされたわけですね。
例えばどんなダメ出しがありましたか?
- 片山
- 「マイクロスペースって、モビリティ事業者が儲かっていないからあまりマーケットがない」とか、「シェアサイクルキックボードはただのブームでしかない」といった意見がありました。
- 大野
- ああだこうだと言ってくるメンターに対して、反論されたと思うんですけれども、どんな反論をされました?
- 片山
- そこはできるだけ数字を見せながら。
ループさんとか、ドコモさんが、何年以内にどれくらいポートを増やすのかというのはPRタイムズなどで公開してるので、それをもとに、「単純に10万円で仲介したとしても、これだけ今マーケットがあるんです」「ループさんだけではなくて、自動販売機とか証明写真のスタンド、オレンジジュースの生搾り販売機とか、ああいうのがどんどん流行ってきて、マイクロスペースの需要が上がってきているんですよ」と、 そういう説明をしました。
- 大野
- みんな納得してましたか?
- 片山
- いや、納得はしてないですね。
メンタリングでのダメ出しで見つめ直した事業
- 大野
- 合宿の前と合宿の後と、ビフォーアフターで言うと、片山さんにとってどんなことが心に残りましたか? 成果は出ましたか?
- 片山
- あれだけマイクロスペースのことをネガティブに言われたので、改めてその事業を見直す機会になりました。
その結果、実はマイクロスペースの事業からちょっとピボットしています。
マイクロスペースだけではなくて、マイクロスペースを探せる弊社の技術を、他の業種領域にも使えないかということで、例えば電力会社さんとこのテクノロジーを使って、発電所内の防犯カメラの映像を解析して、不審者が入ってきてないか解析するシステムを作ってたりとか。
建設現場で???という建設状況を管理するツールがあるんですけど、それを弊社の技術を使い、建設現場を自動で解析して、進捗度を自動で???に反映するというようなシステムを作ってたりします。
- 大野
- ということは、モビリティで開発したウォッチするシステムを、他のところで使っていこうということですね。
- 片山
- そうですね。そうするとすごく営業もしやすくなりました。
マーケットサイズもとても広がったと感じています。
- 大野
- すぐにもうピボットしてしまうのですか?
モビリティのスペース事業とは、どういう兼ね合いでやっていくのですか?
- 片山
- やはりマイクロスペース事業で一番リソースを用いるのが、営業部隊になっています。
なので、今後の方向性としては、営業はなるべく減らして、どちらかというとテクノロジーの企業に していくことで、マイクロスペースの事業はもちろん残しつつ、他のユースケースもですね。
前述の建設現場とか発電所とか、そういうものを他の柱として増やしていくという方向性でいます。
人と出会うためにMBAを
- 大野
- そちらの方がちょっと有望そうですね。
メンタリングを受けて一番感動したことは?
- 片山
- メンターや関係者の方々がすごい経歴で、MITのMBAを卒業されているだけではなく、例えば外資系の投資銀行で何十年と勤務されて、その途中でMITのMBAに行ったという方もいました。
その後にMBAに行くなど、私自身は一度も就職していないので、そういった世界の名だたる企業で働いてMBAも取得した方々がいることが刺激的でした。
- 大野
- なるほど。
その刺激が今後の片山さん自身の生き方に何か影響を及ぼしそうですか?
- 片山
- もちろん影響を及ぼしそうです。
何十年後を想像したときに、事業家として、この人たちを絶対超えたいと思っています。
また、今やっている会社を一旦区切りのいいところで海外のMBAにも挑戦したいなと思っているのですが、そのときにMITに行くのか、どこに行くのかということにも影響があると思います。
- 大野
- MBAを取る必要があるのでしょうか?
事業をガシガシやっていたら、そんな時間はないんじゃないですか?
事業をやりながら学べるのでは?
- 片山
- MBAの中でも特にスタンフォードのMBAに行きたいなと思っています。
外国人のメンバーがいるにしても、狙っているマーケットは日本国内で、ここのビジネスでもいいし、この後の新しい会社でもいいんですけど、それをスタンフォード、シリコンバレーでやりたいなと思っているんですよね。
そういった意味で、MBAで学ぶというよりも、MBAで人と出会うために行きたいなと思っています。
- 大野
- それだったら非常に価値がありますね。
3年以内の上場を目指して
- 大野
- 最初の目標としてはどれくらいを設定していますか?
- 片山
- 今の会社で、とりあえず3年以内の上場を目指しています。
それをクリアしたら、その後に一回行きたいなと思っています。
- 大野
- 上場するのは大変ですよ。
上場したらまた大変ですよ。
- 片山
- はい、でもしたいなと思っています。
- 大野
- どうして上場したいんですか?
例えば、上場をしないである程度のところまで作ってM&Aするとか。
バイアウトしちゃうとか、いろいろあると思うんですけれども。
上場したい理由は?
- 片山
- 歴史に名を残したいと思っています。
上場の方が成し遂げるのが難しいと思うので、そちらを目指したいです。
また、従業員やメンバーのモチベーションを作る上でも、東証プライムや東証グロースに上場するという明確な目標を設定する方が良いと考えています。
そういった意味でもこれは結構ずっと言っていますね。
- 大野
- プライムとスタンダードはやっぱり大企業、中小企業が多いので、やらなきゃいけないことものすごく多い。
グロースは比較的ベンチャーが多いでしょうから、私にとっては身近に感じる。
いずれにしてもみんな一所懸命頑張っている。
プライムやスタンダードは、それを維持していくために、すごい労力を使ってるという気がします。
- 片山
- なるほど。
モビスペースのご紹介
- 大野
- 読者のみなさんに御社モビスペースのアピールをお願いします。
- 片山
- ありがとうございます。
もともとマイクロスペースのためにこの技術を開発していました。
ただ、最近だと、先ほどご説明した通り、建設業界や自動車ディーラー業界、あとは保険など、他のユースケースをすごく増やしています。
どうしてこの技術が、そういった幅広い業種で使えるのかというのを説明します。
私たちはまず独自の、3Dパノラマ画像や変形した画像、古い画像など、通常だと解析しづらいような画像動画を解析するシステムを持っています。
この技術が深層学習を用いる独自のモデルになっています。
通常だと例えば、工場内で不良品を検品するシステムを作ると、深層学習のAIモデルを作って特定していくんですが、それだとモデルを作るのに時間がかかり、また、パターン化されているものしか認識できないという特徴があります。
私たちはそのモデルを使わずに、独自の全く新しい方法を使うことで、そういう学習がなしで作れます。 つまりすごいスピードで何かを特定するシステムを作ることができます。
例えば車体のへこみとか傷とか、建設現場とか不審者とか、パターン化しづらいものを特定することに特化しているシステムになっています。
現在、ユースケースをどんどんどん生み出していっています。
- 大野
- 御社が募集している人材や、取引先はありますか?
- 片山
- 弊社は、建設現場や、車などパターン化しづらいものに特化している、稀有な技術を保有しています。
この技術が生かせるようなものをお持ちの方は、ぜひお問い合わせいただければと思います。
- 大野
- もちろん特許を取っていらっしゃる?
- 片山
- 申請中です。
- 大野
- 私どもMIT-VFJの監事役の佐々百合子さんは弁理士ですが、技術が仕上がる前に弁理士に相談されるといいとおっしゃっていました。
片山さんのところはどんな弁理士さんに依頼されていますか?
- 片山
- 大学のアントレプレナーシップセンターに所属している弁理士さんがいらっしゃるので、その方に月一回ぐらい相談しています。
- 大野
- なるほど。 早稲田大学のアントレプレナーシップセンターなら、弁理士さんも弁護士さんも、様々な人材が協力くださる環境ですね。身近に間近でいろいろな人に相談できるわけですね。
MIT-VFJで知り合ったメンターの人たちとのその後のお付き合いはありますか?
- 片山
- ないですね。
- 大野
- どんどん活用なさってください。
皆さん、プログラムが終わるとわりと離れてしまうのですが、せっかくご縁があって集まった仲間として、もっとみんなと交流をしたらいいと思いますが。
ところで、御社の資料にカローラと表記されていましたが、それはなんですか?
- 片山
- トヨタ販売店ディーラーの方が東京に一堂に会す「鞍ヶ池会」というものがあり、そこで講師をさせてもらいました。
トヨタの発祥の地の公園にあったのが鞍ヶ池だったそうで、名前の由来だそうです。
そういうすごい会に、なぜか講師として呼ばれまして ここで全都道府県のトヨタディーラーの方と知り合うことができてご縁ができました。
- 大野
- それは素晴らしいですね!
ベンチャーメンタリングプログラムに応募を考えている方へ
- 大野
- 今後のベンチャーメンタリングプログラムに応募を考えている方にメッセージをお願いします。
- 片山
- 特に資金調達をまだしてないようなスタートアップ、または資金調達をあまりしたくないようなスタートアップの方に、お勧めのプログラムかなと思っています。
そういった資金調達をしていないベンチャーって、結構ビジコンとか無料のアクセラレータープログラムとかに参加して、なんとかしのいでやっていると思います。
このMIT-VFJのプログラムは、そういった他のプログラムとは、メンターの方たちのご経歴などが異なり、本当に特殊な環境だと思います。
そういった特殊な環境を経験して、経験の幅を広げたいという方は、ぜひ参加するといいと思っています。
大企業で何十年役員をやっていましたとか、大企業の社外取締役ですとか、MITのMBAに数10年前に行っていましたとか、そういう方は1人ですら見つけるのが難しいです。
東京都がやっているプログラムや、早稲田のプログラムに参加しても、そういう方には出会えないです。
MIT-VFJにはそういう方しかいないし、そういう方が何十人といるので、特殊だと思っています。
今まで参加したプログラムで一番特殊だったなと思っています。
- 大野
- ぜひこれからもさらに頑張って事業を拡大して、念願の3年後上場を目指してください。
本日はありがとうございます。
片山さんの事業の発展を応援しています。
片山 将(かたやま しょう) 氏 プロフィール
モビスペース株式会社 代表取締役CEO
1998年生まれ 神奈川県川崎市出身
早稲田大学教育学部 2024年3月卒業
【現在の挑戦】
大学卒業後すぐに起業家としてフルコミット。位置情報技術を軸に「人と空間の新しい関係性」を創造するモビスペース株式会社を率い、2028年度東証グロース市場上場を視野に事業拡大中。
【学生時代の実績】
・在学中に開発した位置情報共有SNS「NauNau」で、3ヶ月間でMAU300万人を達成
・動画マーケティングでは初投稿で200万再生を記録
・AI活用型サービス「AICycle」でJapan Business Model Competition 2023最優秀賞
・Asia Business Model Challenge 2023日本代表
・第6回 Waseda Edge Demoday最優秀賞獲得を契機に起業
【未来へのロードマップ】
2025年7月:『世界の現在がわかる イスラエル』(秀和システム)刊行
2025年度:伊藤忠商事・岡藤正弘会長との対話を通じた経営哲学の深化
2027年度:Sozo Venturesからの出資獲得&企業価値1,000億円達成
2028年度:赤坂エリアに伊藤忠商事(外苑前)・大日本印刷(市谷)に匹敵する先進オフィスを構築
2029年度:スタンフォード大学MBA入学でグローバルリーダーシップ研鑽
【経営ビジョン】
「テクノロジーで物理空間の価値を再定義する」を使命に、都市機能の最適化と人間中心の空間設計を推進。
メンタリングプログラムでは「事業計画の国際通用性向上」をテーマに、MIT-VFJメンター陣と次世代都市開発モデルの構築に取り組む。

聞き手 大野一美
MIT-VFJ理事
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聞き手 小澤みゆき
MIT-VFJ理事
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