INTERVIEW

VMP23ファイナリスト
長島賞他獲得
株式会社スペース 代表取締役CEO 村井 美映 氏

2001年から続いてきたBPCC(ビジネスプランニングクリニック&コンテスト)に代わって2021年にスタートしたVMP(ベンチャーメンタリングプログラム)は、より一層メンタリングに重点を置き、登録メンターが徹底したメンタリング・アバイスを行ことによって、事業計画の見直しやブラッシュアップを行なうプログラムです。

12月のインタビューコーナーは、12月2日に最終発表会が行われたVMP23で、『他社同士でもできる物流マッチングプラットフォーム事業』というテーマでファイナリスト候補になり、厳しいメンタリングを受けられた株式会社スペースの代表取締役、村井美映さんに登場いただきます。

ファイナリスト候補から、晴れてファイナリストになり、最終発表会では長島賞はじめ8冠を得られた村井さん、改めておめでとうございます。

まずは、貴社について教えていただけますか。

村井

弊社は、愛知県にある株式会社スペースと申します。
「ドラ基地」の運営をしています。
物流業界における2024年問題が社会問題になっていますが、2024年からはドライバーの時間外労働に罰則が適用されます。
これにともない、荷物が運べなくなってしまうという大変大きな問題を、現在、物流業界は抱えています。
「ドラ基地」は、それを、中継輸送…バケツリレーのようにいろいろな人を介して荷物を運んでいくインフラの整備をしています。

 

VMP23に応募された経緯、きっかけを教えてください。

村井

今までは、「一筆書き」で、一人のドライバー、1つの運送会社が運んでいましたが、それをバケツリレーのようにいろいろな人を介して…となると、プラットフォームが必要になり、そのプラットフォームの構築を目指しています。
メンターの長谷川純一さん(MIT-VFJ登録メンターで、VMP23では他チームを担当)が元々の知り合いで、長谷川さんに壁打ちをしてもらっていました。
その時に長谷川さんからVMP23のことをお聞きしました。
メンターがきちんと付いて3ヶ月間のみっちりした「訓練」があると聞いて、「これはいいな」と思って応募しました。

何を期待して応募されましたか?
改善したかったのはどんな点でしょうか?

村井

正直な話、現在はスタートアップの段階なので、社内はぐちゃぐちゃなんです。
どこを目指すのかということも含めて、まとまりを作りたかったので、そこにメンターの力を借りたかったのです。

もう1つは自分自分のスキルアップです。
私の場合は、実践ではなくアイデアから始まっていますし、私はエンジニアでもないし、経営を学んできたわけでもありません。
物流のことに特化していても、経営や、これから会社をどうやって大きくしていくのかということも、1つにまとめたかったんです。

なぜ物流業界をターゲットにして起業したのですか?

村井

私は、子どもを産む前は、外資系の塗料の会社に務めていました。
研究開発をしていて、化学の領域の仕事でした。
シンナーなどを結構使うので、妊娠を機にリタイヤしました。
次にまた、バリバリ働きたいなと思ったのですが、子どもがいるので、時間の制限、距離の制限、いろいろな制限がありました。
その時にソートをかけて、たまたまヒットしたのが、運送業でした。
今思えば、素人が物流業界に飛び込んだわけです。
始めてみたら、物流業界の違和感というものをひしひしと感じました。
私はアメリカの会社にいたので、レディファーストだったところにいたのですが、そこから男性社会に飛び込んでいって…すごく乖離を感じました。
その乖離をどうやって解消できるのかと考えたところ、女性だからこそ「一つにしていこうよ」「架け橋になっていこうよ」ということができるのではないかと考えました。

株式会社スペースは、どのような想いがあってつけた社名ですか?

村井

物流業界はリテラシーが低い業界なので、なにかかっこいい名前ではなく、カタカナにすべきだという意見がありました。
トラックの荷台は「スペース」であり、空間管理をするものです。
また、私の会社が宇宙のように大きくなればという思いで単純につけました。
その時は、自分がスタートアップ企業だといこうことを自覚していませんでした。
今後もっとマーケットが大きくなっていくので、社名のことも含めてブランディングしていこうと考えています。

MIT-VFJのメンタリングを受けて、最初に感じたことを教えてください。

村井

メンターは、入野さん、川北さんのお二人でした。
メンタリングではFacebookのグループを作り、入野さんは頻繁に投稿してくださいましたが、すごく頭が良い天才タイプで、このようなメンターは初めてでした。
ですから、私は気後れしてしまい「ついて行きたい」「ついて行けたらすごく成長するんだろう」と感じながらも、自分の力量不足でついて行けなかったことが、すごく心残りです。
最初はそこに戸惑いを感じました。

メンタリングの頻度と方法は?

村井

週に1回、オンラインでメンタリングをしていだたきました。
1回につき、30分〜1時間程度で、後はコミュニティツールとしてSlackを活用していました。

メンタリングを受けている間、困ったなと思ったことは?

村井

前述の戸惑いもありましたが、「スピード」が一番困りました。
「これをやるべきだ」というような形で、入野さんから、Trelloのタスクのカードが200枚弱送られてきました。
入野さんが作ったスクリプトが入っていて、Trelloのタスクカードを動かすと、その瞬間に自動的にSlackに反映されるようになっていたんです。
タスクカードを動かさないとSlackにいかないし、中途半端に動かすとSlackに半端な通知がいってしまうし…どうしよう…って(笑)
すばらしい管理なんですが、逆に戸惑ってしまって。
自分がついていけない情けなさを感じていました。
その時には泣き言は言えなかったのですが…言えば良かった!(笑)
プログラムが書けないのであれば「テックキャンプに行ってこい!」とか、スパルタでしたので、泣き言を言わずについていきたかったという自分の想いもありつつ、やっぱりもっともっと泣き言を言えれば良かったのかなと、今は思っています。

でも、結果的には本当に良かったです!
「社内で、週に2回、15分でもいいから定例会を開くべきだ」と入野さんに言われて、今、自社ではそのようにしています。
Trelloの管理も、ドンっ!と取り入れてやっています。
スピードは遅いながらも、入野さんの想いやご指導は、弊社の中で未だに生きております。

3ヶ月間メンタリングを受けた一番の成果はなんでしょうか?

村井

やはり最終発表会で8冠を取れたことが目に見える成果なんだろうと感じています。
どういうふうに成長したから取れたのかは悩むところですが、やはり、こういうプログラムに参加していく意義というのは、プログラムの中に株式会社スペースや村井美映の名前を刻んでいくことだと思っています。

その成果は、今後の貴社の発展にとって、どのような変化をもたらすと思われますか?あるいはどのように変化していくと思われますか?

村井

輸送の効率化とは、きちんと中継輸送をしていくことにメリットがあり、それは今に限った課題ではありません。
しかし「Why now?」「なぜ今なのか?」ということになると、必ず2024年問題の法改正に乗っていかなければいけないからです。
私もテレビにも出たり、いろいろなとこに寄稿したりしていますが、これは今年限定だと思っています。
2024年を通り越した後にも、ドラ基地が同じ事をしていたら「この人達しょぼいな」と思われるだけで終わってしまうと思います。
この波に乗っていくために、入野さん・川北さんの魂を忘れずに、ずっと加速し続けられるようにしていきたいなと思っています。

貴社の目下の課題は?

村井

スピードです!!
めちゃくちゃスピードが遅いです。
目標設定に追いついていないです。
解決策考えると、私の強さをもっと出すべきかなと思っています。
入野さんに言われた言葉があります。「遅い人に合わせてしまうと、もっと遅くなる」
この期限に出してくださいと言っても、必ず出せない人もいます。
これは致命的になるので、そういう時の対処法を考えていかなくてはなりません。

ボランティアをベースとしたMIT-VFJの活動に対し、期待されることがあれば教えてください。

村井

3ヶ月間のプログラムは終了しましたが、この先もファイナリストとの時間を継続させて欲しいと思います。
私は、まだまだ駆け出しですし、全然終わりの見えないところを走っている不安感もあります。
図々しいですが、今後のフォローもお願いできたらとてもうれしいなと思っています。

今後、VMPに応募を考えている方たちへ、ひと言メッセージをお願いします。

村井

今までも多くのプログラムに参加してきましたが、正直、このプログラムは他とは全く違う肌感覚です。
「特訓」、これが私にとってはとても良かったです。
このプログラムでは、メラビアンの法則をとても大事になさっていて、合宿でも顔を合わせ、怒られながら、ご飯の時には乾杯しながら、みなさんと関係の構築ができました。
テクノロジーの世の中で、こういうことはオンラインでは手軽にできますが、そうではない大事なところは、私みたいなアナログの業界の人間からしますと、やはりアナログを大事にしたいです。
テクノロジーは人を助けるものであり、テクノロジーは人を超えてはならないもの、と思っています。
このプログラムの中では、人と人との繋がりを、3ヶ月間、毎日のように感じることができました。
もし、どこかのプログラムを受けることを考えている方がいたら、まずここの門扉を叩いてみることを、私はお勧めします。

村井さんはこれからどのような未来を築いていこうと思われていますか?

村井

私はやはり人が大好きです。
理事の大野さんにアドバイスをいただいて、この3ヶ月の間に会社のVMV(ビジョン、ミッション、バリュー)を変更しました。
架け橋となることで、みなさんを繋いでいくんだという私たちの想いで、今はテクノロジーの力でプラットフォームを作ろうとしていますが、これは人力でもできます。
物流業界に対してだけではなく、全人類に対して、「人と人」というところは適用されると思います。
私自身は「なにかあったら村井に電話すればいい」と言われるくらい、大きな人間になっていきたいです。
私は今は、なにかあったらいろいろな人に電話ができるコネクションを作っている最中です。

 

村井 美映(むらいみえ) 氏 プロフィール

株式会社スペース/代表取締役CEO
運行管理者

【株式会社スペース】
設立日:2021年10月20日
資本金:500万円(R5.7 現在)
住所:愛知県蒲郡市三谷町川原24-5 A 号
URL : https://dorakichi.com/lp/
ドラ基地の運営

【起業のきっかけ】
「物流の2024 年問題」を知り、多くの企業がM&A 含めた解決策を模索していた。
数億円を投資しなければ、乗り越えられないという課題の深さを目の当たりにし運送会社1 社単独での解決が難しいことより、「最高な働き方で最高な運送を」というビジョンのもの助け合える世の中を確立していこうと起業した。
運送会社の企画・営業グループにて従事し、運行管理者の資格を持ちながら労務管理・総務・人事・事故担当など、会社全体の業務管理からM&Aのデューデリデンスまで経験。
社内の非効率を効率化するなど、業務改革を得意とする。
のち、物流業界における「2024 年問題」の解決のためスペースを個人創業。
ビジネスプランコンテストにて最優秀賞を受賞したことをきっかけに株式会社スペースを設立。代表取締役に就任。
これまでに多くの運送会社様にヒアリングし2022 年中継拠点のシェアリングサービス「ドラ基地」をリリース。

【登壇実績】
・物流塾 第250 回記念講演 ~2024 年問題の解決策について~
・中部経済産業局主催 MEET UP ~レジリエンスについて~
・スペース社×ニューイット社ウェビナー開催 ~2024 年問題について~
・ジェネカフェ 第42 回 ~起業するまでの軌跡~
・インデペンデンツクラブ第523 回 ~ドラ基地の事業紹介~
・ラジオ出演 ヤシの実FM ~スタートアップ企業として~
・法政大学 PF 戦略講義 ~ガバナンス戦略について~ 他多数講演実績あり
・ラジオ出演 FM 横浜 「ALFALINK presents RADIO LINK」
・ラジオ出演 ポッドキャスト「弁護士久野実のリーガルラボ」

【ドラ基地とは】
運行データより相手をマッチングし、中継拠点を紹介する中継輸送支援サービス。
ドライバーの日帰りを促進しつつ、運送会社の売上向上が見込める仕組みをご提案。

【表彰実績】
・東三河ビジネスプランコンテスト 最優秀賞
・SpaceAppsChallenge 学術賞
・DELL 女性起業会ビジネスコンテスト 優勝

【メディア掲載情報】

  • ・日本経済新聞
  • ・読売新聞
  • ・東愛知新聞
  • ・中日新聞
  • ・東日新聞
  • ・物流ニッポン
  • ・物流新時代
  • ・ドデスカ!ドようびデス。
  • ・Yohoo! JAPAN
  • ・物流ウィークリー

【拠点情報】
STATION Ai スタートアップガレージ MUSASHi Innovation Lab CLUE

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